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革修理ブログ
2025/12/10
革製品にカビが生えたらどう対処すればよい?
Old fashion leather briefcase on black background[/caption]
革製品は使い込むほどに味わいが増し、長く愛用できる素材です。
しかし、そんな革の大敵が「カビ」です。
梅雨時期や湿度の高い環境でうっかり放置してしまうと、革表面に白い粉のようなカビが発生し、美しい艶が台無しになってしまいます。
本記事では、革製品にカビが生えたときの正しい対処法から、カビの原因・再発防止策・日常のお手入れまで、専門的な視点でわかりやすく解説します。
「大切な革財布や鞄を復活させたい」「自分でカビを落とせるのか不安」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
革は天然の動物の皮から作られた素材です。
そのため、革の内部にはタンパク質や脂肪分、水分など、カビの栄養源となる成分が含まれています。
さらに、革は通気性があり、湿度や温度の影響を受けやすいため、条件が揃えばカビが繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。
つまり、**「湿気・汚れ・密閉」**の3つが重なると、カビが生えるリスクが一気に高まります。
特に以下のようなケースは要注意です。
一口に「カビ」といっても、革に生えるカビにはいくつかの種類があります。
見た目によって対処法も微妙に変わるため、まずはカビの状態を観察してみましょう。
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カビの色 |
状態・特徴 |
主な原因 |
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白カビ |
白い粉・斑点状。比較的浅い。 |
湿気とほこり |
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緑カビ |
緑っぽい斑点。やや根が深い。 |
長期間の放置 |
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黒カビ |
黒く染みつく。根が深く浸透。 |
高温多湿+汚れ蓄積 |
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青カビ |
青緑色。ニオイが強い。 |
湿度と皮脂汚れ |
白カビ程度であれば自宅で対処可能ですが、黒カビや青カビのように革内部まで浸食している場合は専門業者への依頼が安全です。
では、実際にカビが生えてしまった革製品を、どのようにお手入れすればよいのでしょうか。
以下では、自宅でできる安全なカビ取り手順を詳しく説明します。
カビを見つけたら、いきなり水や洗剤を使わずに乾拭きから始めましょう。
湿らせるとカビが広がるため、まずは表面の胞子をできるだけ物理的に除去します。
ポイントは、カビを広げないこと。
乾拭きだけでも、初期の白カビ程度であればかなりきれいになります。
次に、アルコール(消毒用エタノール)を使って除菌します。
ただし、革はデリケートなので、使い方を誤ると変色や乾燥の原因になるため注意が必要です。
※スウェードやヌバックなどの起毛革にはアルコールはNGです。専用のスエードブラシと防カビスプレーを使用しましょう。
除菌後は、日陰で風通しの良い場所に数時間〜半日ほど置いて自然乾燥させます。
直射日光やドライヤーで急激に乾かすと、革が縮んだりひび割れたりするので避けてください。
アルコール除菌後は、革の油分が失われているため保湿ケアが必須です。
革用のクリームやトリートメントを薄く塗り、柔らかい布で円を描くように磨きましょう。
艶が戻り、カビ再発の予防にもつながります。
最後に、防カビ・防湿対策として以下を行いましょう。

以下のような場合は、自分で処理せず革製品専門のクリーニング店や革修理業者に相談しましょう。
専門店では、革専用の薬剤や温度管理された乾燥工程を使い、革を傷めずに根本からカビを除去できます。
また、再発防止コーティングやリカラーなど、一般家庭では難しい処理も可能です。
カビは「予防」が最も重要です。
次に、革製品を長く清潔に保つための保管方法を紹介します。
革靴やバッグを使った後は、内部の湿気をしっかり取り除きましょう。
長期間保管している革製品は、月に1〜2回ほど取り出して換気しましょう。
軽く乾拭きするだけでも、カビの発生を防げます。
クローゼットや下駄箱など、湿気のこもりやすい場所ではカビが繁殖しやすくなります。
通気性が悪く湿気がこもるため、ビニール袋はカビの温床になります。
代わりに、不織布の収納袋を使いましょう。
ポケットやバッグの中は湿気がこもりやすく、手の皮脂も付着しやすい場所です。
定期的に乾拭きし、月に1回程度は陰干ししましょう。
使わない期間は通気性のある袋で保管します。
最もカビが生えやすいアイテムです。
雨の日に濡れたら、新聞紙を詰めて湿気を取り、翌日に陰干しすることが大切です。
週に1回は靴クリームでお手入れしましょう。
クローゼットに詰め込みすぎると通気が悪くなり、肩部分や袖口にカビが出やすくなります。
ハンガーにかけ、風通しを確保しましょう。
内部の布地にカビが生えることも多いので、定期的にバッグの中も乾燥させましょう。
防湿剤を入れておくのも有効です。
市販品を上手に使えば、カビ対策はさらに効果的です。
カビを慌てて落とそうとして、逆に革を傷めてしまうケースもあります。
以下のような方法は避けましょう。

革製品にカビが生えるのは、湿気と汚れが原因です。
しかし、早い段階で発見すれば、自分で安全に除去し再び美しい状態に戻すことが可能です。
黒カビや重度の汚れは、無理せず革専門の修理業者に依頼するのがベストです。
大切なのは、「放置しない」「定期的にケアする」こと。
それだけで、お気に入りの革製品を何年も美しく保つことができます。
革研究所 札幌店
住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F
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