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2025/10/15

革製品のメンテナンス方法 〜長く美しく使うために〜

革製品のメンテナンス方法 〜長く美しく使うために〜

はじめに:革は「育てる」素材

革製品の魅力は、使うほどに味わい深くなる経年変化(エイジング)です。
それはつまり、使い手がどのように手入れし、向き合ってきたかという“記録”でもあります。
メンテナンスを怠ればヒビ割れやカビなどのトラブルを招きますが、丁寧に扱えば、10年20年と連れ添うことができます。

手袋

1. 革の種類を知ることから始めよう

革と一口に言っても、種類によってメンテナンス方法が異なります。代表的な種類を知っておくとケアの方向性が見えてきます。

フルグレインレザー(本革)

表面を削らず、牛などの皮膚の模様をそのまま残した革。通気性・耐久性が高いが、繊細なため定期的な保湿が必要。

トップグレインレザー

一部を削って整えた革。見た目が美しく、扱いやすいため一般的に使われる。

ヌメ革

植物タンニンでなめしたナチュラルな革。変化が大きく、水に弱いため注意が必要。

エナメル(パテントレザー)

表面に樹脂を塗った艶のある革。防水性が高いが、ベタつき・黄ばみに注意。

2. 基本のメンテナンスステップ

① ホコリや汚れを落とす「ブラッシング」

まずは乾いた状態の革に、馬毛のブラシなどで全体をブラッシングします。
表面のホコリやチリを払うだけでなく、毛穴に入り込んだ微細な汚れも除去します。
この工程を怠ると、後のクリーム塗布時に汚れを革に押し込んでしまう可能性があります。

② 汚れ落とし「クリーナー」

汚れが目立つ場合は、革専用のクリーナー(レザークレンザー)を使用します。
柔らかい布に少量取り、革全体に円を描くように優しく拭きます。
革を濡らすのはNG。水分が染み込むと変色や硬化の原因に。

③ 栄養補給「保革クリーム・オイル」

クリーニング後は、革に潤いと栄養を与えるクリームやオイルを使用します。
革の種類によって適した製品が異なるので、可能であれば目立たない箇所で試してから全体に塗布しましょう。
塗りすぎは禁物。薄く、均等に伸ばしてから、柔らかい布で軽く磨き上げます。

④ 防水・防汚「プロテクター」

仕上げに、革専用の防水スプレーや保護剤をかけると、水や汚れから守ることができます。
防水スプレーは30cmほど離して均一に吹きかけ、完全に乾かしてから使用します。

工具

3. シーン別のメンテナンステクニック

■ 革財布の手入れ

財布は手の油分が付着しやすく、またポケットやバッグの中で圧迫されたり擦れたりします。

  • 使用頻度が高い財布は、月に1回を目安にメンテナンス。

  • 特に角や折り目の部分は乾燥しやすいため重点的にケア。

  • 汗ばむ夏場は、除菌シートなどでサッと拭いてから風通しの良いところで乾かすと清潔感が保てます。

■ 革バッグの手入れ

バッグは雨や汚れの影響を受けやすいので、季節の変わり目ごとに1回以上を目安にケアしましょう。

  • バッグの底や持ち手はダメージを受けやすい箇所。定期的に状態をチェック。

  • 中に新聞紙などを詰めて形を整えながら保管。

  • 雨に濡れたときは、タオルで叩くように水気を取り、陰干しを。

■ 革靴の手入れ

靴は革製品の中でも最も過酷な使用環境に置かれます。

  • 使用後は毎回、ブラッシングと乾拭きで汚れを除去。

  • 週に1回はクリームやワックスでしっかり保湿・ツヤ出しを。

  • シューキーパーを使って形崩れを防ぐのも大切です。

4. 季節・環境による注意点

■ 夏場の高温多湿

カビが生えやすいため、風通しの良い場所で保管。除湿剤やシリカゲルも有効です。

■ 冬場の乾燥

空気が乾燥して革が硬化しやすいため、保湿クリームの使用頻度をやや増やすのがベター。

■ 雨や雪

基本的に革は水に弱い素材です。濡れた場合は速やかに水気を取り、直射日光は避けて陰干しを。

かばん屋

5. NG行動集 ~革が傷む原因~

革製品にありがちなダメージ原因と、避けるべき行動を挙げておきます。

水濡れ・湿気の放置は大敵

革は天然素材のため、水分を吸収しやすく、濡れたまま放置すると繊維が変形してシミやカビの原因になります。特に梅雨時や汗をかく季節は要注意。雨に濡れた際は、タオルで優しく水分を拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。

直射日光・高温環境による劣化

強い日差しにさらすと、色あせや乾燥によるひび割れが進行します。さらに、暖房機の前や車内など高温環境に置くと、革本来の油分が急激に失われてしまいます。ドライヤーで強制的に乾かすのもNG。自然な温度で乾燥させることが長持ちの秘訣です。

通気性の悪い保管はカビの温床

使わない間にビニール袋や密閉ケースにしまうと、湿気がこもってカビが発生しやすくなります。革製品は「呼吸する素材」と言われるほど空気との相性が大切。布袋や不織布に入れ、風通しの良い場所で保管するのがベストです。

汚れを放置すると取り返しがつかない

日常の皮脂や手垢、ホコリを放っておくと、革に染み込んで黒ずみや変色を引き起こします。早めに柔らかい布で軽く拭くだけでも違いが出ます。定期的なクリーニングが、上品なツヤを維持するポイントです。

強い洗剤やアルコールは厳禁

革の手入れに家庭用洗剤やアルコールを使うと、必要な油分まで奪ってしまい、カサつきやひび割れにつながります。必ず革専用のクリーナーや保湿オイルを使用し、やさしくケアすることが大切です。

*このように革製品を傷めるNG行動は、ちょっとした日常の扱い方から生まれます。正しい知識を持って大切に扱えば、革は何年も美しく使い続けることができます。

 

6. 保管方法のコツ

  • 使用しないときは通気性のある布袋に入れて保管。

  • 密閉されたビニール袋などに入れるのはNG。

  • 型崩れを防ぐため、中に詰め物を。

  • 陽の当たらない涼しい場所で保管するのがベストです。

7. 長く愛用するための「育てる」心構え

革製品は、人と同じように“乾いたら潤いを与える”“汚れたら優しく洗う”という気配りが大切です。
購入当初の状態をキープするのではなく、使いながら変化を楽しむことこそが、革を持つ醍醐味と言えます。

傷やシミも「歴史」として受け入れる姿勢が、より一層革への愛着を深めることでしょう。

革ブーツと小物

まとめ

革製品は使うほどに味わいが深まる魅力を持ちますが、適切なメンテナンスを怠ると乾燥やひび割れ、シミや色落ちの原因となります。長く美しく使うためには、日常のちょっとしたケアが欠かせません。

まず大切なのは乾拭きによるホコリや汚れの除去です。柔らかい布でこまめに拭くことで、表面のダメージを防ぎます。また、雨や汗で濡れた場合はすぐに水分を拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。直射日光やドライヤーによる急速乾燥は革を硬化させるため避けることが重要です。

さらに、保湿クリームやオイルでのケアも欠かせません。革は動物の皮膚と同じく油分を必要とするため、専用のケア用品で定期的に栄養を与えると、柔らかさと艶が保たれます。色落ちやシミを防ぐためには、防水スプレーの使用も効果的です。

保管方法もポイントで、湿気を避け風通しの良い場所に置きましょう。型崩れを防ぐために中に紙を詰めたり、布袋に入れて保管するのもおすすめです。

総じて、革製品は「日々のケア」「適切な乾燥」「定期的な栄養補給」「正しい保管」が美しさを長持ちさせる秘訣です。少しの手間をかけることで、革は年月とともに唯一無二の表情を見せ、持ち主にとってかけがえのない存在となっていきます。

 

店舗情報:革のことなら何でも!

革研究所 札幌店

住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

電話番号:011-600-6858

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修理対応エリア:北海道 札幌市全域エリア

革研究所HP:https://sapporo-kawa-kenkyujyo.com/

 

革修理対応製品

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