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2025/07/28

革製品の基礎知識:革の魅力と正しい選び方・扱い方

はじめに

「革(皮)」は古代から現代まで、人類に愛され続けてきた素材の一つです。バッグ、財布、靴、ジャケット、ソファなど、生活のあらゆる場面に登場し、その耐久性・風合い・経年変化の美しさが人々を魅了してやみません。

しかしながら、革製品と一口に言っても、実はその種類や製法、用途、手入れ方法には奥深い世界が広がっています。本記事では、革製品の基礎知識を丁寧に解説し、これから革製品を購入・使用・メンテナンスしようと考えている方にとってのガイドとなることを目指します。

 

第1章:そもそも「皮」と「革」は違う?

「皮」と「革」の違い

  • 皮(かわ):動物から剥いだままの状態。毛や脂肪が残っているもの。

  • 革(かわ):皮をなめして耐久性を高めたもの。製品として使える状態になっている。

つまり、「皮」は原材料、「革」は加工済みの素材という位置づけです。

 

第2章:代表的な革の種類と特徴

革には動物の種類やなめし方によって様々なバリエーションがあります。以下では主要な種類を解説します。

1. 牛革(カウレザー/ステア/キップなど)

  • 特徴:丈夫で厚みがあり、経年変化も美しい。

  • 用途:財布、カバン、靴、ベルト、ソファなど多用途。

  • 分類

    • カーフ(生後6ヶ月以内):きめ細かく柔らかい。高級品に使用。

    • キップ(6ヶ月~1年):適度な柔らかさと耐久性。

    • ステア(2歳程度の去勢雄牛):一般的な革製品に使われる定番。

    • カウ(出産歴のある雌牛):柔らかめで衣料に向く。

2. 豚革(ピッグスキン)

  • 特徴:通気性が高く、軽量で扱いやすい。

  • 用途:裏地、手袋、靴の内側、ジャケットなど。

  • 日本では最も多く流通している革の一つ。

3. 羊革・山羊革(シープスキン・ゴートスキン)

  • 特徴

    • 羊革:柔らかく薄い。衣料用として人気。

    • 山羊革:丈夫でしなやか。シボ(しわ模様)が特徴的。

  • 用途:手袋、衣類、小物など。

4. 馬革(コードバン)

  • 特徴:臀部の限られた部位から取れる希少な素材。光沢と滑らかさが魅力。

  • 用途:財布、靴、時計バンドなど高級品向け。

5. エキゾチックレザー(ワニ、ヘビ、ダチョウなど)

  • 特徴:個性的な模様や質感。非常に高価で高級感がある。

  • 用途:ブランドバッグ、ベルト、靴など。

第3章:革の加工方法

なめし(鞣し)とは?

「なめし」とは、動物の皮を腐らないように加工して、革にする工程です。大きく2種類に分けられます。

1. クロムなめし

  • 特徴:短時間で仕上がり、柔軟で耐水性がある。

  • 色のバリエーションが豊富で、コストも安め。

  • 弱点:経年変化は少なく、廃棄時に環境負荷が課題。

2. 植物タンニンなめし

  • 特徴:植物由来の成分(タンニン)を使う。硬く重厚で、エイジング(経年変化)が楽しめる。

  • 高級志向の革製品に多く用いられる。

 

第4章:革の仕上げ加工と表面処理

革には、仕上げ段階でさらに表面処理が行われます。

フィニッシュの種類

加工法

特徴

アニリン仕上げ

透明感があり、革本来の風合いが活かされる。傷や染みが目立ちやすい。

セミアニリン仕上げ

アニリン+軽い顔料。耐久性と見た目のバランスが良い。

顔料仕上げ

顔料でしっかり着色されており、傷や汚れに強い。やや風合いに欠ける。

ヌメ革

未加工に近く、エイジングを楽しめる。水や汚れに弱い。

 

第5章:革製品の魅力「エイジング」

革製品の大きな魅力の一つが**経年変化(エイジング)**です。

  • 使うほどにツヤが増し、色が深まり、風合いが出る。

  • 自分だけの「味」が出ることで、愛着が増していく。

  • 特に植物タンニンなめしやヌメ革は劇的に変化。

これは合成皮革では得られない、本革ならではの醍醐味です。

 

第6章:合成皮革との違い

比較項目

本革

合成皮革

耐久性

高い(10年以上も)

比較的短命(数年)

風合い

一点物の自然な個性

均一で無機質

経年変化

美しく育つ

劣化して剥がれる

メンテナンス

必要だが味が出る

お手入れは簡単だが、修復が困難

 

第7章:本革製品の選び方

購入時に確認したいポイント

  • 革の種類・仕上げ方法を確認。

  • 縫製の丁寧さ(糸の始末、コバの仕上げ)。

  • ブランドや作り手の実績

  • 価格に見合った品質かどうか

  • 使い方に合った素材・厚み・サイズか

おすすめの購入先

  • 革専門店(実物を手に取れる)

  • 百貨店や高級ブランドの直営店

  • クラフトマンの直販サイト(こだわり重視)

第8章:革製品の正しいお手入れ方法

基本的なメンテナンス

  1. 乾拭き:柔らかい布でほこりや汚れを落とす。

  2. ブラッシング:靴や鞄に適用。専用ブラシで毛並みを整える。

  3. 保湿クリーム:乾燥防止・艶出しに。月1回程度。

  4. 防水スプレー:雨の日や外出時に活用。

注意点

  • 水に濡らさない(濡れたらすぐ拭き取り、陰干し)

  • 高温や直射日光を避ける

  • シンナーなどの溶剤は使用しない

  • 使わないときは風通しの良い場所に保管

第9章:革のトラブルと対処法

トラブル

対処法

乾燥・ひび割れ

レザー用クリームで保湿

シミ・汚れ

レザークリーナーで優しく除去

型崩れ

中に詰め物を入れて保管

カビ

乾いた布で拭き、風通しの良い場所で乾燥。重度の場合は修理店へ。

第10章:革製品を長持ちさせるコツ

  1. 定期的なお手入れを欠かさない

  2. 使用後は風通しの良い場所で保管

  3. 季節の変わり目に点検・クリーニング

  4. 雨天や高湿度の時は無理に使わない

  5. ローテーションして使う(毎日同じバッグや靴を使わない)

まとめ

革製品はただの「道具」ではなく、「共に時を重ねるパートナー」です。素材の選び方から、適切なメンテナンス、そして経年変化までを楽しむことで、革製品は使い手の人生に寄り添いながら味わいを深めていきます。

安価な合皮では味わえない“育てる喜び”を体験するには、まず正しい知識と心構えを持つことが大切です。

あなたもぜひ、長く付き合える本革製品を選び、自分だけの一品へと育ててみてはいかがでしょうか。

 

店舗情報:革のことなら何でも!

革研究所 札幌店

住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

電話番号:011-600-6858

営業時間:平日10~19時

修理対応エリア:北海道 札幌市全域エリア

皮研究所HP:https://sapporo-kawa-kenkyujyo.com/

革修理対応製品

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革鞄・バック

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革研究所 札幌店

代表者 城台 悦史
所在地 札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F
TEL 011-600-6858

対応エリア
北海道 札幌市全域エリア

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