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2026/02/26

革と皮の違いとは?

~素材の本質から文化・用途まで徹底解説~

「革」と「皮」。どちらも読みは同じ「かわ」ですが、意味は大きく異なります。
特に革製品に興味がある人や、製品説明を書く場面では、この違いを正しく理解しておくことは非常に重要です。なぜなら「皮」と「革」は、見た目や用途だけでなく、素材としての性質・価値・加工法・文化的背景まで、根本から異なるものだからです。

この記事では、
● 皮とは何か
● 革とは何か
● どんな加工が行われるのか
● 耐久性・用途の差
● 歴史・文化的意味
● 選び方とメンテナンス
を深く掘り下げていきます。

革靴色々

1. 「皮」とは何か──生の状態そのものを指す素材

まず「皮」という言葉は、動物の体の一部として存在していた生の状態に近い皮膚を指します。

● 皮の特徴

  • 水分や脂肪が多い

  • 腐敗しやすい

  • 柔らかすぎて耐久性が低い

  • 硬化や収縮が起きやすい

  • 防水性がほとんどない

これは当然で、人間を含め動物の皮膚は、常に水分を保ちながら体を守る器官として機能していたからです。
そのため、皮の状態のままではバッグや靴に加工することはほぼ不可能。同じく、放置するとすぐに腐敗します。

● 「皮」という字が使われる場面

  • 動物の生皮(なまがわ)

  • 魚や果物の皮(野菜・果物の“皮”も同じ字)

  • 未加工の原皮として流通する皮

  • 毛皮(加工しない場合は皮と呼ぶことも多い)

このように「皮」は未加工で自然のままの皮膚と理解できます。

2. 「革」とは何か──加工により新たな耐久性を得た素材

一方で「革」は、皮に鞣し(なめし)加工を行い、耐久性・柔軟性・防腐性を持たせたものを指します。

● 革の特徴

  • 腐敗しない

  • 高い耐久性

  • 適度な柔軟性

  • 使用するほど風合いが増す

  • 保湿・乾燥管理で長寿命化できる

  • 堅牢な構造の製品にも使用可能

「革」は、加工によってまったく別の素材に進化した状態といえます。生の皮から腐敗成分を除去し、繊維を固定し、脂分を調整することで、長期間使用できる素材へと変わります。

● 「革」という字が使われる場面

  • 革靴

  • 革ジャン

  • 革財布

  • レザーグッズ全般

  • 革工芸用の材料

  • 鞣し後のテクスチャ(銀面・スエードなど)

「革」は完成された素材としての“レザー”と考えてよいでしょう。

3. 革はどうやって作られるのか?──鞣し加工の重要性

「皮」と「革」の最大の違いを分けるポイントが鞣し(なめし)です。

● 鞣しとは

皮の腐敗を防ぎ、耐久性と柔軟性を与えるための加工。
水分・脂肪・タンパク質を処理し、繊維を安定化させる仕組みです。

鞣しには主に三つの種類があります。

① 植物タンニン鞣し

古代から続く伝統的な加工法。
植物由来の渋(タンニン)を使い、皮の繊維を締めて革にします。

特徴

  • 経年変化(エイジング)が美しい

  • 硬めでコシがある

  • 色は自然でナチュラル

  • バッグ・財布・ベルト向き

植物タンニン鞣しの革は、ユーザーの使い方で色艶が変化し「自分だけの革」になるため、愛好家に特に人気があります。

② クロム鞣し

19世紀後半に登場した近代的な鞣し方法。
金属塩(クロム)を使用し、短時間で大量に軽く柔らかい革を作れるのが特徴です。

特徴

  • 軽くて柔らかい

  • 耐水性が高い

  • 革ジャンやソファなど大型製品にも使いやすい

  • 色が豊富

世界で使用される革の約8割がクロム鞣しと言われるほど主流の方法です。

③ コンビネーション鞣し

タンニン鞣しとクロム鞣しの長所を組み合わせた方法。

特徴

  • 程よい硬さ

  • 耐水性と耐久性のバランス

  • 多用途で財布・靴・鞄によく使われる

「しなやかなのに丈夫」という特徴があり、現代の革製品では非常に多用されます。

4. 「皮 → 革」になることで何が変わるのか?

ここでは、皮が革になることで変化する要素を比較します。

性質

皮(未加工)

革(加工後)

腐敗

しやすい

ほぼしない

強度

低い

高い

水耐性

ほぼなし

鞣しにより高まる

伸縮

大きく変化

変化が抑えられる

価値

低い

高い

用途

原皮・毛皮など

靴、鞄、財布、ウェア等

特に大きいのは「腐敗しない」という点です。
皮は生モノですが、革になると「長年使用できる素材」に一変します。

革専門店

5. 用途の違い──何に使われるかが明確に異なる

● 皮の用途

  • 原皮として革工場まで輸送

  • 獣皮(ハンティング時の剥ぎ取り)

  • 食品としての皮(魚・果物など)

  • 毛皮製品(鞣す場合もある)

皮そのものが最終製品になるケースは、ほとんどありません。

● 革の用途

革は加工後にさまざまなアイテムに形を変えます。代表例を挙げると:

バッグ
耐久性と柔軟性のバランスがよく、型崩れしにくい。


足に馴染む特性はレザー特有。

財布・名刺入れ
薄く仕上げても強度があるため最適。

ベルト
特に植物タンニン鞣しの革は適度な硬さがありベルトに向く。

アウター(革ジャン)
牛革や馬革は強度が高く、防風性が高い。

家具(ソファ・椅子)
クロム鞣し革は大型家具に使われる。

このように、革はあらゆる生活領域で機能性を発揮する万能素材になっています。

6. 革と皮の歴史的背景──人類はいつから革を作ってきたのか?

人類が皮を「革」へと昇華させた歴史は非常に古く、紀元前8000〜5000年ごろには既に鞣しの技術が存在していたと言われます。

● 初期の鞣し

  • 動物の脳に含まれる油脂

  • 煙で燻す

  • 木の皮のタンニン

これらを使って、防腐・耐久化が試されてきました。

● 皮 → 革の進化は、生活品質の向上を支えた

古代人は、皮をそのまま使うとすぐ腐ることを学び、長期間使うための工夫として鞣し技術を発展させました。

革は以下のような重要な役割を果たしてきました。

  • 住居用のテント

  • 衣服





  • 馬具

  • 収納具

こうした用途は、現代の製品にも通じています。

7. 革と皮の言葉の違い──日本語としての意味も異なる

日本語にも興味深いポイントがあります。

● 「皮」は“自然のまま”を強調

例:かわむき、皮を剥ぐ、皮膚、皮付き

自然の表皮としてのニュアンスが強い言葉です。

● 「革」は“変化・進化した素材”

例:革靴、革新(革は変化の象徴)、革命

「革」は元の皮から“変化を経て別の価値を持つもの”という意味を含む漢字で、
言葉の成り立ちそのものが“素材が進化した状態”を示しています。

だからこそ、「革新」「革命」という熟語にも使われるのです。

8. 革製品はなぜ高価なのか?──皮との違いがその理由

革製品が高価になる理由は、皮から革になるまでに
多くの工程と時間、技術、職人の手作業が必要だからです。

● 皮が革になるまでの工程(簡略版)

  1. 原皮の確保

  2. 塩蔵(腐敗防止)

  3. 水戻し

  4. 脱毛

  5. 脱脂

  6. 鞣し

  7. 染色

  8. 加脂

  9. 乾燥

  10. 仕上げ加工(型押し、磨き、表面処理など)

この膨大な工程を経ることで、ようやく革は製品の材料になります。

9. 革の種類の広がり──皮から革へ、さらに細分化

革は鞣し後も、仕上げによって多くの種類に分かれます。

● 革の主なバリエーション

  • 銀付き革(表面を残した革)

  • スエード(裏面を起毛)

  • ヌバック(表面を薄く起毛)

  • 型押し革(クロコ風など)

  • オイルレザー(油分を多く含む)

  • サドルレザー(厚く硬い革)

皮のままでは考えられない多様性です。

10. 革と皮の見分け方──初心者でもわかるポイント

● 皮

  • 生々しい質感

  • 水分が多く冷たい

  • 固くなったり柔らかくなったり極端

  • 匂いが独特で腐敗を感じることも

● 革

  • 均質で安定した質感

  • 手に吸い付くような感触

  • 加工の匂いがする(タンニン香など)

  • 表面が滑らかで製品としての完成度が高い

革製品を手に取れば、加工の有無はすぐわかります。

11. メンテナンスの違い──皮は管理が困難、革は手入れで育つ

皮は生モノなので、基本的に長期保管や使用には向きません。

一方、革は以下の手入れで何年も使えます。

● 革のメンテナンス

  • 乾燥→保湿

  • 汚れ→クリーニング

  • 定期的なオイル・クリーム

  • 適切な保管(湿度管理)

皮の状態では絶対にできない、
「育てる」「エイジングを楽しむ」という概念が生まれるのも革ならではです。

革バッグ店

12. 皮と革のまとめ──両者の違いを簡潔に言うと

最後に短く整理すると、

● 皮

  • 動物の身体の一部のまま

  • 腐敗しやすく加工が必要

  • 素材としての完成度は低い

● 革

  • 鞣し加工された素材

  • 耐久性・防腐性あり

  • 製品としての価値が高い

  • 靴・鞄・財布などに使われる

つまり 革=皮が職人の手で進化した素材 ということです。

終わりに

革と皮の違いは単なる語彙の違いではなく、
加工の有無・耐久性・用途・価値・文化的意味まで変わる大きな差です。

 

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住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

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