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革修理ブログ
2026/01/27
鹿革(ディアスキン)とは何か

革素材には牛革、豚革、馬革、羊革などさまざまな種類が存在するが、その中でも近年再評価が急速に高まっているのが「鹿革(ディアスキン)」である。古来より武具、伝統工芸、衣服、祭具に使われてきた日本人にとってなじみの深い素材でありながら、時代が進むにつれ知名度が薄れていた。しかし、その耐久性、柔軟性、通気性、そして唯一無二の風合いが見直され、アウトドア用品、アパレル、革小物、グローブ、靴など幅広いジャンルで再び注目を集めている。
ここでは、鹿革の本質的な特徴、歴史、製造工程、魅力、現代での活用法、メンテナンス方法まで、7000文字前後で詳しく解説する。
鹿は古くから日本人にとって神聖な動物であり、狩猟文化とも密接に関わっていた。縄文時代の遺跡からは鹿の骨や皮を加工した道具が発見されており、弥生時代にはすでに皮を衣服に利用していたことが分かっている。
平安~室町期にかけて、鹿革は武具制作に欠かせない素材となる。特に有名なのが「白なめし」の鹿革で、これは植物タンニンを使わずに油や灰汁などを用いて白く仕上げた日本独自の製法である。この白革は軽く柔らかく、かつ丈夫で、鎧や小手、弓具の材料として多用された。
奈良には「奈良晒(ならざらし)」と呼ばれる鹿革に模様入れを行う技法が伝わっており、戦国武将の胴丸や装束にも使用された。これにより鹿革は「高級素材」かつ「実用品」として重宝されることになる。
明治期には軍用手袋として鹿革が重宝され、戦後は野球グローブ、バイクグローブなどスポーツ産業へ用途が拡大した。
このように、日本における鹿革の歴史は非常に長く、実用品としての評価が極めて高い素材である。
鹿革は「柔らかい」「丈夫」「水に強い」「通気性が高い」という、一見すると相反する特徴を共存させている。これが他の皮革にはない最大の魅力である。
繊維の束が非常に細かく、長い繊維が絡み合うように構成されている。そのため、手に取ると驚くほど柔らかく、布のようにくったり折れ曲がる。このしなやかさは羊革(シープスキン)に匹敵するが、鹿革は羊革よりもはるかに強く、耐久性と柔軟性の両面を兼ね備えている。
繊維がランダムに絡み合う構造は、外部からの引っ張りや摩擦に非常に強い。牛革よりもしなやかであるにも関わらず、引き裂き強度は牛革と同等かそれ以上。グローブや靴に使われる理由がここにある。
多くの革は水に弱く、乾燥すると硬化してしまう。しかし鹿革は水分を吸収しても硬くなりづらく、乾くと元の柔らかさを取り戻す。雨天での使用が多いアウトドア製品に向く理由である。
鹿革は繊維の隙間が微細でありながら通気性が高い。蒸れにくく、汗を吸収してもベタつきにくい性質を持つ。これは手袋として非常に優秀で、多くの職人やスポーツ選手が鹿革を好む理由である。
鹿革は革ごとにシボ(凹凸の模様)が全く異なり、個体差が大きい。人工的に作り出すことが難しいため、同じ模様の革は二つと存在しない。これが「一点物の魅力」を生み、愛着を育てる。
鹿革のなめし工程は、牛革や豚革と基本は同じであるが、一部独自の工程や手間がある。
国内の鹿革は主に北海道や本州各地の害獣対策として捕獲された野生鹿を使用する。野生のためキズやムラが多いが、それが味となる。一方、海外(特に北米)でも狩猟により大量の鹿皮が供給されている。
薬品を使って毛を抜く。鹿毛は細いため完全に処理するには丁寧な作業が必要。ここで繊維を傷つけないようにするのが職人の腕の見せ所。
鹿革は牛革などに比べ脂分が多い。余分な脂を取り除く作業を入念に行うことで、均一な質感の革に仕上がる。
タンニンなめし、クロムなめし、コンビなめしのいずれも可能。日本の伝統的な「白なめし」は鹿革特有の製法であり、軽く柔らかく仕上がる。
鹿革は染料をよく吸うため、美しい発色が可能。表面加工は控えめにされることが多く、ナチュラルな質感を残す「素上げ」や「セミアニリン仕上げ」が多い。

|
種類 |
柔らかさ |
耐久性 |
水への強さ |
通気性 |
価格帯 |
主な用途 |
|
鹿革 |
非常に柔らかい |
高い |
強い |
かなり高い |
中〜高 |
手袋、靴、バッグ、衣類 |
|
牛革 |
やや硬め |
とても高い |
弱い |
普通 |
中 |
バッグ、財布、ベルト |
|
羊革 |
非常に柔らかい |
中 |
弱い |
高い |
中〜高 |
衣類、手袋 |
|
馬革 |
緻密で硬め |
非常に高い |
中 |
やや低い |
やや高い |
革ジャン、ブーツ |
|
豚革 |
軽い |
中 |
中 |
非常に高い |
安い |
裏材、バッグ |
ここから見ても鹿革がいかに“万能型”の素材であるかが分かる。
ただし、これらの「欠点」も見方を変えれば個性や魅力とも言える。
鹿革の代名詞とも言えるのが手袋。しなやかさと耐久性が要求される品で、革の王道とされる。高級ドライビンググローブや職人用手袋など幅広い。
ネイティブアメリカンのモカシンに代表されるように、鹿革の柔らかさは快適な履き心地を生む。足に吸い付くような感覚は他の革では得にくい。
軽く柔らかいため、ポーチ・巾着・ショルダーバッグなどに適している。財布も鹿革を使うと独特の上質感が出る。
滑りにくい、汗を吸う、硬くならないという利点がアウトドアシーンで重宝される。
奈良の鹿革工芸、祭具、和装小物、武具復元など、多くの文化財修復にも使われる。
鹿革は他の革と比べ扱いやすいが、以下の手入れを行うことで長く美しく使える。
強くこすらない。表面加工が薄いので摩擦は禁物。
クリームを吸い込みやすいので“つけすぎ注意”。半年に一回程度で良い。
直射日光やドライヤーは硬化の原因になる。
湿気が残るとカビの原因になる。
鹿は害獣として年々増え続け、農作物への被害も深刻化している。駆除された鹿の多くは「廃棄」されてしまうが、その皮を再利用することで資源を無駄なく活用できる。鹿革を利用することは環境負荷を下げ、命を大切に使う取り組みとしても評価が高い。

鹿革は、柔らかいのに驚くほど丈夫で、水に強く、そして通気性も高いという非常に優秀な素材である。日本では古来から武具や工芸で重宝されてきたが、現代でも手袋・靴・アパレルなど多くの分野で再び注目されている。
一点ものの質感と経年変化の美しさ、そしてサステナブルな素材としての価値も加わり、鹿革は“これからの時代にこそ選ばれる革”だと言えるだろう。
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