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革修理ブログ
2025/12/02
スウェードとは?

革製品の世界には、表面が滑らかで光沢のある「スムースレザー」や、深みのある毛並みを持つ「ヌバック」、古くから愛される「オイルレザー」など、さまざまな質感の革があります。その中でも、特に柔らかな手触りと上品な表情で人気なのが スウェード(suede) です。
シューズ、バッグ、ジャケット、小物など幅広いアイテムに使われ、カジュアルから高級ファッションまで対応する万能素材。
しかし、スウェードの魅力や特徴、使い方、適切な手入れ方法などについて深く理解している人は意外に少ないものです。
この記事では、スウェードとはどんな革なのか、どうやって作られ、どんな特徴があり、どんな魅力や注意点があるのか を徹底的に解説します。
専門知識を交えつつ、一般の方にも分かりやすい7000字前後の解説としてお届けします。
スウェード(スエード)とは、動物の皮革の裏面(内側)を起毛させた革 のことを指します。
特有の 短い毛足のふんわりとした質感、温かみのあるマットな風合い が特徴です。
一般的には牛革・豚革・山羊革などから作られますが、特に柔らかな繊維構造を持つ 子山羊革(キッドスキン) や 羊革(シープスキン) が高級スウェードとして知られています。
スウェードは天然皮革の一種ですが、表面をツルっと仕上げた革とは異なる「毛羽立ち」があり、どちらかといえば布に近い感覚を持つ人も多いでしょう。そのため、革製品の中でも独自のジャンルを確立しています。
「スウェード(suede)」という言葉は、フランス語の “gants de Suède(スウェーデン手袋)” が語源とされています。
19世紀にスウェーデン産の柔らかい革を使った手袋が流行し、その素材を指して「suede」と呼ぶようになりました。
当時のスウェーデンでは、羊や子山羊の皮を丁寧に裏側から削り、なめらかに起毛させて作るスウェード手袋が非常に高く評価され、ヨーロッパ中の上流階級に愛用されました。
その名残で、現在でもスウェードは「上品・エレガント」といったイメージが強く残っています。
スウェードは、単に革の裏側を削って毛羽立たせるだけの素材ではありません。
美しい風合いと耐久性を持たせるために、いくつもの工程が存在します。
牛・豚・山羊などの動物皮から不要な毛や脂を除去し、なめし作業を行う準備をします。
スウェードでは比較的柔らかさを保つために クロムなめし が用いられることが多いです。
クロムなめしは革を柔らかく軽く仕上げ、鮮やかな発色を可能にします。
これがスウェード最大の特徴となる工程です。
革の裏側をサンドペーパーのような研磨機で削り、短く均一な毛羽を作る ことで、あの独特のふんわりした質感が生まれます。
スウェードは表面が起毛しているため、染料をよく吸い込み、深く豊かな色合いを出しやすい素材です。
起毛の長さを整え、防水・防汚スプレーなどをかけて仕上げます。
ただし過剰な加工はせず、自然な風合いを残すのがスウェードらしさといえるでしょう。

スウェードとよく比較される革素材が ヌバック(nubuck) です。
どちらも起毛革ですが、決定的な違いがあります。
|
素材名 |
起毛する面 |
見た目・質感 |
耐久性 |
|
スウェード |
革の裏面 |
柔らかく優しい毛並み |
やや弱い |
|
ヌバック |
革の表面(銀面) |
キメが細かく高級感 |
スウェードより強い |
繊維の密度が低く、ふんわりと柔らかい。
銀面(革の表側)を削るため繊維が細かく、高級感が強い。
どちらも人気ですが、
スウェード=可愛らしさ・柔らかさ
ヌバック=高級感・大人っぽさ
と覚えると分かりやすいでしょう。
スウェードは他の革にはない独特の魅力を持っています。
手触りが布のように柔らかく、服やバッグに使うと身体に馴染みます。
マットで光沢が少なく、秋冬シーズンによく映えます。
染料が入りやすいため、
ブラウン、キャメル、ネイビー、ワインレッドなど
深い色合いを出すのに最適です。
スニーカーに使われればカジュアルに、
ショートブーツに使われれば一気に大人っぽく。
幅広いジャンルに対応できる万能素材です。
表面の微妙な陰影(色ムラ)は、光沢のある革とは違う上品な存在感を生みます。

魅力が大きい一方で、注意しなければならない点もあります。
スウェードは毛羽があります。
水に濡れると毛が寝てシミになりやすいため、雨の日の使用には注意が必要。
砂埃や油分が入り込みやすく、
スムースレザーより汚れが目立ちやすい素材です。
特殊なブラシやスプレーが必要で、
初めて使う人には少しハードルが高いかもしれません。
使っていくうちに毛並みが乱れたり、擦れる部分は光って見えることも。
スウェード製品を長く愛用するには、適切な手入れが欠かせません。
新品のうちに必ず防水スプレーをかけておくこと。
水だけでなく汚れも付きにくくなり、寿命が段違いになります。
スウェード用ブラシ(ワイヤーブラシ・クレープブラシ)を使い、
毛が寝ないように軽くブラッシングします。
スウェード用の消しゴムでこすれば、黒ずみや軽い汚れはかなり落ちます。
・タオルで押しながら水分を取る
・絶対にこすらない
・自然乾燥
・乾いたらブラッシングして毛を立たせる
油はスウェードに深く染み込むため、素人では完全に取れません。
革専門のクリーニング店に相談するのが安全です。
クラークスの「デザートブーツ」などが有名。
柔らかく足に馴染み、カジュアルなスタイルに最適。
スウェードのアウターは高級感があり、
ファッション業界でも古くから定番素材。
優しい風合いで女性に人気。
特に巾着タイプやショルダーバッグとの相性が良い。
スウェードは柔らかさが魅力ですが、摩擦の多い部分は劣化しやすいので、
財布などは「部分使い」されることが多いです。
スウェードは丁寧に扱えば5年、10年と愛用できる素材です。
近年は環境意識の高まりから、スウェード風の人工素材「マイクロファイバースウェード」も人気です。
天然スウェードより軽く、水にも強いため、スニーカーや車の内装などにも幅広く使われています。
一方で、天然スウェードも「高級感」「自然な風合い」が評価され続けており、
ハイブランドは依然として天然スウェードを積極的に採用しています。

スウェードは、
柔らかさ・温かみ・発色の良さ・上品さ
という数々の魅力を持つ革素材です。
水や汚れに弱く、お手入れに手間はかかりますが、
その反面、時間をかけて丁寧に使えば、
他の革にはない 唯一無二の風合いの変化 を楽しめる素材でもあります。
秋冬のファッションはもちろん、
バッグ、靴、小物など年間を通して人気を保つスウェード。
あなたがスウェード製品を選ぶ際や、
手入れ・保管について悩む際の参考になれば幸いです。
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