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2025/12/10

革製品にカビが生えたらどう対処すればよい?

革製品にカビが生えたらどう対処すればよい?

[caption id="attachment_1046" align="alignnone" width="1024"]革製リュック Old fashion leather briefcase on black background[/caption]

原因から対策・再発防止まで徹底解説

革製品は使い込むほどに味わいが増し、長く愛用できる素材です。
しかし、そんな革の大敵が「カビ」です。
梅雨時期や湿度の高い環境でうっかり放置してしまうと、革表面に白い粉のようなカビが発生し、美しい艶が台無しになってしまいます。

本記事では、革製品にカビが生えたときの正しい対処法から、カビの原因・再発防止策・日常のお手入れまで、専門的な視点でわかりやすく解説します。
「大切な革財布や鞄を復活させたい」「自分でカビを落とせるのか不安」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 革製品にカビが生える原因とは?

革は天然の動物の皮から作られた素材です。
そのため、革の内部にはタンパク質や脂肪分、水分など、カビの栄養源となる成分が含まれています。
さらに、革は通気性があり、湿度や温度の影響を受けやすいため、条件が揃えばカビが繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。

カビが発生する主な条件

  • 湿度:60%以上

  • 温度:20〜30℃前後

  • 栄養源:ホコリ・汗・皮脂・革の油分

  • 通気性の悪い収納状態

つまり、**「湿気・汚れ・密閉」**の3つが重なると、カビが生えるリスクが一気に高まります。

特に以下のようなケースは要注意です。

  • 梅雨の時期に革靴を下駄箱に入れっぱなし

  • 長期間、革ジャケットをクローゼットにしまいっぱなし

  • 使用後に乾燥・拭き取りをせずに収納

  • 湿気のこもる部屋での保管

2. カビの種類を見極める

一口に「カビ」といっても、革に生えるカビにはいくつかの種類があります。
見た目によって対処法も微妙に変わるため、まずはカビの状態を観察してみましょう。

カビの色

状態・特徴

主な原因

白カビ

白い粉・斑点状。比較的浅い。

湿気とほこり

緑カビ

緑っぽい斑点。やや根が深い。

長期間の放置

黒カビ

黒く染みつく。根が深く浸透。

高温多湿+汚れ蓄積

青カビ

青緑色。ニオイが強い。

湿度と皮脂汚れ

白カビ程度であれば自宅で対処可能ですが、黒カビや青カビのように革内部まで浸食している場合は専門業者への依頼が安全です。

3. 革製品にカビが生えたときの対処法【自分でできる編】

では、実際にカビが生えてしまった革製品を、どのようにお手入れすればよいのでしょうか。
以下では、自宅でできる安全なカビ取り手順を詳しく説明します。

【準備するもの】

  • 乾いた柔らかい布(マイクロファイバーなど)

  • 革用クリーナー(またはエタノール70%前後の消毒用アルコール)

  • 革用保湿クリーム(レザートリートメント)

  • 手袋・マスク(カビの胞子対策)

  • 風通しの良い作業場所

【手順①】まずは乾拭きでカビを落とす

カビを見つけたら、いきなり水や洗剤を使わずに乾拭きから始めましょう。
湿らせるとカビが広がるため、まずは表面の胞子をできるだけ物理的に除去します。

  • 柔らかい布で軽くなでるように拭き取る

  • 拭いた布は使い回さず、すぐに処分する

  • 強くこすらず、革を傷めないように注意する

ポイントは、カビを広げないこと
乾拭きだけでも、初期の白カビ程度であればかなりきれいになります。

【手順②】アルコールで除菌

次に、アルコール(消毒用エタノール)を使って除菌します。
ただし、革はデリケートなので、使い方を誤ると変色や乾燥の原因になるため注意が必要です。

  • 布に少量のアルコールを含ませる

  • カビ部分を軽くたたくように拭く

  • 広範囲には使わず、部分的に少しずつ処理する

  • 乾燥後、色落ちやシミがないか確認

※スウェードやヌバックなどの起毛革にはアルコールはNGです。専用のスエードブラシと防カビスプレーを使用しましょう。

【手順③】自然乾燥させる

除菌後は、日陰で風通しの良い場所に数時間〜半日ほど置いて自然乾燥させます。
直射日光やドライヤーで急激に乾かすと、革が縮んだりひび割れたりするので避けてください。

【手順④】革の保湿・栄養補給

アルコール除菌後は、革の油分が失われているため保湿ケアが必須です。
革用のクリームやトリートメントを薄く塗り、柔らかい布で円を描くように磨きましょう。
艶が戻り、カビ再発の予防にもつながります。

【手順⑤】再発防止のための仕上げ

最後に、防カビ・防湿対策として以下を行いましょう。

  • 革用防水スプレーを軽く吹きかける

  • 乾燥剤(シリカゲル)と一緒に保管

  • 定期的に風を通す

    革ブーツ

4. 自分で落とせない場合はプロに依頼を

以下のような場合は、自分で処理せず革製品専門のクリーニング店や革修理業者に相談しましょう。

  • 黒カビが染みついて取れない

  • 革の色が変わってしまった

  • ブランド品・高級革製品(例:エルメス、コーチなど)

  • バッグや靴の内側にもカビがある

専門店では、革専用の薬剤や温度管理された乾燥工程を使い、革を傷めずに根本からカビを除去できます。
また、再発防止コーティングやリカラーなど、一般家庭では難しい処理も可能です。

5. カビを発生させない保管方法

カビは「予防」が最も重要です。
次に、革製品を長く清潔に保つための保管方法を紹介します。

(1)使用後は必ず乾燥させる

革靴やバッグを使った後は、内部の湿気をしっかり取り除きましょう。

  • 靴はシューツリーを入れて形を保ちつつ乾燥

  • バッグは中身を出して風通しの良い場所に一晩置く

(2)定期的に空気を入れ替える

長期間保管している革製品は、月に1〜2回ほど取り出して換気しましょう。
軽く乾拭きするだけでも、カビの発生を防げます。

(3)湿気の多い場所を避ける

クローゼットや下駄箱など、湿気のこもりやすい場所ではカビが繁殖しやすくなります。

  • 除湿剤を設置する

  • 湿度計でチェックし、60%以下を保つ

(4)ビニール袋での保管はNG

通気性が悪く湿気がこもるため、ビニール袋はカビの温床になります。
代わりに、不織布の収納袋を使いましょう。

6. カビが生えやすい革製品別の注意点

● 革財布

ポケットやバッグの中は湿気がこもりやすく、手の皮脂も付着しやすい場所です。
定期的に乾拭きし、月に1回程度は陰干ししましょう。
使わない期間は通気性のある袋で保管します。

● 革靴

最もカビが生えやすいアイテムです。
雨の日に濡れたら、新聞紙を詰めて湿気を取り、翌日に陰干しすることが大切です。
週に1回は靴クリームでお手入れしましょう。

● 革ジャケット

クローゼットに詰め込みすぎると通気が悪くなり、肩部分や袖口にカビが出やすくなります。
ハンガーにかけ、風通しを確保しましょう。

● 革バッグ

内部の布地にカビが生えることも多いので、定期的にバッグの中も乾燥させましょう。
防湿剤を入れておくのも有効です。

7. 家庭でできる防カビ対策グッズ

市販品を上手に使えば、カビ対策はさらに効果的です。

  • 防カビスプレー(革対応)
     カビ胞子の繁殖を抑える成分入り。使用後は乾燥させる。

  • シリカゲル乾燥剤
     収納箱やクローゼットに入れて湿度をコントロール。

  • レザーメンテナンスクリーム
     油分補給と同時に防水効果があり、カビの原因を防ぐ。

  • 湿度計付き除湿機
     湿度を60%以下に保てばカビは繁殖しにくくなる。

8. 絶対にやってはいけないNG対処法

カビを慌てて落とそうとして、逆に革を傷めてしまうケースもあります。
以下のような方法は避けましょう。

  • 水拭きでゴシゴシこする → カビが広がる

  • 漂白剤や除菌スプレーを使う → 色落ち・ひび割れの原因

  • ドライヤーで急乾燥 → 革が硬化してひび割れる

  • 日光に長時間さらす → 退色や硬化が起こる

    革製トランクケース

9. まとめ:革製品のカビは「早期発見」と「予防」が鍵

革製品にカビが生えるのは、湿気と汚れが原因です。
しかし、早い段階で発見すれば、自分で安全に除去し再び美しい状態に戻すことが可能です。

対処の流れまとめ

  1. 乾いた布で優しくカビを拭き取る

  2. アルコールで部分除菌

  3. 風通しの良い場所で陰干し

  4. 革用クリームで保湿ケア

  5. 防湿・防カビ対策を徹底

黒カビや重度の汚れは、無理せず革専門の修理業者に依頼するのがベストです。

大切なのは、「放置しない」「定期的にケアする」こと。
それだけで、お気に入りの革製品を何年も美しく保つことができます。

 

店舗情報:革のことなら何でも!

革研究所 札幌店

住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

電話番号:011-600-6858

営業時間:平日10~19時

修理対応エリア:北海道 札幌市全域エリア

革研究所HP:https://sapporo-kawa-kenkyujyo.com/

革修理対応製品

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