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2025/10/06

革ソファー修復の基本

革ソファー修復の基本

~長く使い続けるための知識と実践法~

革ソファーは、上質なインテリアとして住空間を彩り、長年にわたり愛用できる家具のひとつです。しかし、使用を重ねることでどうしても傷や色褪せ、ひび割れといった劣化が避けられません。新品の輝きや高級感を取り戻すためには「修復(リペア)」が必要です。
本記事では、革ソファー修復の基本について、革の特性から修復の流れ、セルフケアとプロ依頼の違い、長持ちさせるポイントまで、徹底的に解説します。

革製ソファその1

革ソファーの魅力と劣化の原因

1 革ソファーの魅力

革ソファーはファブリック製ソファーと比べて高級感があり、使い込むほどに味わいが増すという特性を持ちます。特に本革(天然皮革)の場合、柔らかさや艶、質感の変化を楽しめるのが魅力です。また、耐久性に優れており、適切なメンテナンスを施せば10年、20年と使用できる場合も少なくありません。

2 劣化の主な原因

どんなに上質な革であっても、劣化を完全に防ぐことはできません。主な原因は以下の通りです。

  • 乾燥によるひび割れ
    革は動物の皮膚から作られたため、水分と油分のバランスが崩れると乾燥しやすくなります。特に暖房器具や直射日光にさらされると乾燥が進行し、表面にひびが入る原因になります。

  • 摩擦による擦れ傷
    座面や肘掛けは使用頻度が高いため、摩擦によって色落ちや傷ができやすい部分です。

  • 皮脂や汗の影響
    人の皮脂や汗が染み込むことで、変色やベタつきが起きやすくなります。

  • 紫外線による色褪せ
    窓際など日差しが当たる場所に置かれた革ソファーは、時間とともに色が抜けてしまいます。

革ソファー修復の基本的な考え方

革ソファーの修復は「補修」と「再生」に分けられます。

  • 補修 … 部分的な傷やひび割れ、色落ちを直す作業。

  • 再生 … ソファー全体をクリーニングし、塗装やコーティングで新品に近い状態へ蘇らせる作業。

軽度の劣化であれば自分で補修することも可能ですが、広範囲の色褪せや深い傷、ひび割れがある場合はプロに依頼することが望ましいです。

自分でできる革ソファー修復の基本ステップ

1 クリーニング

修復の第一歩は「汚れを落とすこと」です。表面のホコリを柔らかい布で拭き取り、革専用クリーナーで皮脂や汗の汚れを落とします。家庭用洗剤の使用は厳禁で、革を痛める原因になります。

2 保湿と栄養補給

革は乾燥に弱いため、専用のレザーオイルやクリームを薄く塗布します。これにより柔軟性が戻り、ひび割れの進行を防げます。

3 傷やひびの補修

浅い擦れ傷はレザー用のリペアクリームを使えば目立たなくできます。ひび割れ部分には補修剤を埋め込み、均してから乾燥させます。

4 色の補修

色褪せや部分的な退色は、補修用の染料やレザー用カラーペンを使用して整えます。元の色と近いものを選び、薄く重ね塗りして自然な仕上がりにするのがコツです。

5 コーティング

最後に革専用のトップコートを塗布し、色落ちや摩擦ダメージを防ぎます。これにより修復効果が長持ちします。

革製ソファと犬

 

絶対にしてはいけないNGケア6選

1 家庭用洗剤や漂白剤を使う

  • 洗剤や漂白剤は革の表面を侵し、油分や色素を溶かしてしまいます。

  • 結果としてひび割れや色落ちの原因になります。

2 水や熱湯で丸洗いする

  • 革は水分を吸収しすぎると硬化・縮み・変形することがあります。

  • 特に熱湯は革の繊維を破壊するので絶対にNGです。

3 濡れたまま放置する

  • 雨や飲み物などで濡れた場合、そのまま放置するとシミやカビが発生します。

  • 乾いた布で優しく押さえて水分を取ることが必要です。

4 直射日光や暖房器具の近くに置く

  • 紫外線や熱風にさらされると乾燥や色褪せが進みます。

  • ソファーの位置や日よけ対策が重要です。

5 ゴシゴシ擦る

  • 汚れを落とすために力を入れて擦ると、表面の塗装や繊維が傷みます。

  • 柔らかい布で軽く拭くのが基本です。

6 油やワックスの塗りすぎ

  • 過剰なオイルやワックスは表面にベタつきやシミを作ることがあります。

  • クリームやオイルは薄く均一に塗布するのがコツです。

プロに依頼する修復の流れ

DIYでの修復は軽度の劣化に有効ですが、大きなダメージや高級革ソファーの場合はプロの技術が欠かせません。

1 修復内容の診断

専門業者はソファーの素材や状態を診断し、最適な修復方法を提案します。

2 クリーニングと下処理

業務用の専用クリーナーで奥深くの汚れを除去し、補修作業に備えます。

3 傷や破れの修復

革の破れには革パッチの貼り付けや補修材の充填が行われます。プロは見た目に違和感が出ないように技術を駆使します。

4 全体の染め直し

部分補修ではなく、ソファー全体を再塗装して均一に色を戻す方法です。新品同様の仕上がりになるのが魅力です。

5 保護と仕上げ

最後にコーティングを施し、耐久性と防汚性を高めます。

革製ソファと観葉植物

修復と張り替えの違い

革ソファーの修復と張り替えは別物です。

  • 修復 … 既存の革を活かして補修・再生する方法。コストが抑えられる。

  • 張り替え … 革自体を新しいものに交換する方法。重度の劣化に有効だが費用は高額。

ソファーの状態や愛着度、予算に応じて選択することが重要です。

修復後のメンテナンスと長持ちの秘訣

せっかく修復したソファーも、日常的なケアを怠ると再び劣化が進んでしまいます。

1 定期的な掃除

週に1回程度、柔らかい布でホコリを拭き取り、月1回は専用クリーナーでお手入れします。

2 保湿ケア

年に数回はレザークリームで油分を補給し、乾燥を防ぎましょう。

3 直射日光を避ける

窓際に置く場合はカーテンやUVカットフィルムで紫外線対策を。

4 使用の工夫

同じ場所にばかり座ると偏った摩耗が起きるため、座る位置を変えるのも長持ちのコツです。

プロに依頼するメリットと費用感

プロ修復の最大のメリットは「仕上がりの美しさ」と「耐久性の向上」です。特に高級ソファーや家族の思い出が詰まった品であれば、価値を損なわずに長く使い続けられます。

費用はソファーの大きさや修復内容によって異なりますが、部分補修で1万円前後、全体の染め直しで5〜10万円程度が目安です。張り替えになるとさらに高額になります。

観葉植物と3人掛けソファ

まとめ

革ソファーは手入れ次第で何十年も愛用できる家具です。しかし、日常的な使用で必ず傷や色褪せが発生します。その際に重要なのは「修復」という選択肢を知っておくことです。

  • 軽度の劣化ならセルフ修復が可能

  • 大きなダメージや全体的な色褪せはプロ依頼が安心

  • 修復後は定期的なケアで長持ちさせる

革ソファーの修復は単なる「修理」ではなく、家具に込められた思い出や歴史を蘇らせる作業でもあります。正しい知識と方法を身につけ、大切なソファーを次の世代へ引き継いでいきましょう。

 

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革研究所 札幌店

住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

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皮研究所HP:https://sapporo-kawa-kenkyujyo.com/

 

革修理対応製品

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店舗情報

革研究所 札幌店

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