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革修理ブログ
2026/02/10
PUレザー(ポリウレタンレザー)とは?
革製品の世界には、「本革」「合成皮革」「人工皮革」など多くの素材が存在します。その中でも近年急速に市場を拡大しているのが PUレザー(ポリウレタンレザー) です。軽さ・柔らかさ・コストの安さ・動物性素材を使わない点などが評価され、バッグ・財布・家具・車内装まで幅広い分野で採用されています。一見すると本革に近い質感を持ちながら、機能性と扱いやすさに優れた現代的な素材と言えます。
本記事では、PUレザーの特徴、メリット・デメリット、製造方法、耐久性、本革との違い、メンテナンス方法、選び方のポイントなどを包括的に解説します。PUレザー製品の購入を考えている方だけでなく、革素材の基礎知識としても役に立つ内容です。

PUレザーとは、「ポリウレタン樹脂(Polyurethane)」を使用して作られる合成皮革の一種です。
一般的には、以下のような構造になっています。
この積層によって、革のような外観と触り心地を再現しながら、実際には革を使用しない素材として成立しています。
革素材は大きく以下のカテゴリに分けられます。
|
分類 |
素材 |
特徴 |
|
本革 |
動物の皮 |
経年変化・耐久性・高級感 |
|
人工皮革 |
ポリウレタンに極細繊維を絡ませた素材(例:クラリーノ) |
本革に近い構造を人工的に再現 |
|
合成皮革(PUレザー) |
ポリウレタン樹脂を布に塗布 |
柔らかく軽いが劣化が早い |
PUレザーは合成皮革に属します。本革より安価で扱いやすいため、一般消費者向け商品に広く使われています。
PUレザーは、本革にはないメリットを多く持っているため、幅広い製品に採用されています。ここではその特徴を詳しく見ていきましょう。
PUレザーは樹脂ベースで作られるため、本革より非常に軽く、柔らかい手触りになります。
ファッションアイテムや家具に使う際、軽量性は大きな利点です。
表面に「シボ(革のシワ模様)」を型押ししているため、遠目には本革のように見えます。
特に近年は技術の進歩によって、かなりリアルな表情を再現できるようになっています。
樹脂で着色するため、自由に色を作れるのが強みです。
赤・青・黄色など鮮やかな色も安定して作れるため、デザイナーズアイテムに重宝されます。
本革は水を吸い込みやすくシミになりやすいですが、PUレザーは表面がコーティングされているため水をはじきやすい傾向があります。
動物の皮から作る本革に比べ、PUレザーは大量生産が可能でコストが低いのが特徴です。
結果として、価格の安い財布・バッグ・家具などにも多く採用されています。
便利で扱いやすいPUレザーですが、弱点もハッキリしています。購入前に理解しておくことで失敗を防げます。
最大の弱点はポリウレタンの宿命とも言える 加水分解 です。
湿気や温度変化によって、数年経つと表面がベタついたり、剥がれたりする現象が起きます。
寿命の目安:3〜5年程度
保存状態が良ければもう少し長く持つこともありますが、本革のように10年、20年と使い続けることはほぼ不可能です。
本革なら傷や乾燥をレザーケアで修復できますが、PUレザーは復元できません。
剥がれてしまったら買い替えが基本です。
PUレザーは通気性が低く、汗や油分がこもりやすい傾向があります。
夏場にソファやシートに触れるとベタつきを感じることもあります。
表面こそ似ていますが、内部構造はまったく異なります。
長く使うと本革との差は歴然で、
といった点で、本革とは一線を画します。
PUレザーが本革とどう違うのか、実用面・見た目・ケア方法などの観点から比較します。
|
比較項目 |
PUレザー |
本革 |
|
外観 |
本革に似せられる |
本物の質感・ムラがある |
|
重さ |
軽い |
やや重い |
|
価格 |
安い |
高い |
|
耐久性 |
3〜5年で劣化 |
10年以上持つ |
|
経年変化 |
ほぼ無し |
エイジングあり |
|
メンテナンス |
簡単だが劣化は防げない |
手入れが必要 |
|
水への強さ |
はじめは強いが劣化すると弱い |
濡れるとシミになるがケアで回復 |
|
修理 |
ほぼ不可 |
修復可能 |
用途としては、
といった棲み分けが理想です。
PUレザーがどのように作られているのか、その工程を簡単に説明します。
ポリエステルやナイロンなどの布を用意します。
PUレザーの強度はこの基布の質に大きく依存します。
基布に液状のポリウレタンを塗り重ね、適度な厚みに仕上げます。
ここで革らしい柔らかさと弾力が生まれます。
表面に「シボ」と呼ばれる模様をプレスします。
など、模様で表情が大きく変わります。
表面を保護するため、コーティングを施します。
これにより、光沢やマット感などの質感を調整できます。
製造工程が安定しているため、品質を均一に保ちやすいというメリットがあります。

PUレザーは、生活のあらゆる場面に使われています。
耐久性はそこそこで十分という場面や、軽さが重要な商品で特に重宝されています。
PUレザーは本革ほど手入れの必要はありませんが、「劣化を少しでも遅らせる」ためのケアは重要です。
PUレザー最大の敵は湿気です。
密閉状態で保管すると、逆に湿気が溜まって劣化が早まります。
以下をすると劣化が一気に進みます。
PUレザーはあくまでも樹脂素材。油分を与える必要はありません。
PUレザーには品質の幅があり、同じPUレザーでも耐久性に差があります。
薄すぎるPUレザーは簡単に剥がれてしまいます。
触った時にハリと弾力があるものが理想的です。
ナイロン基布よりも織りが細かいもののほうが耐久性が高い傾向があります。
似た素材にPVC(塩化ビニル)レザーがあります。
|
素材 |
特徴 |
|
PUレザー |
柔らかく高級感、本革に近い |
|
PVCレザー |
硬めで安い、耐水性は高い |
安価な製品はPVCの場合が多いので、商品説明をよく確認しましょう。
PUレザーはこんな人におすすめです。
逆に、長く使い込みたい、育てたいという方は本革のほうが満足度が高くなります。

PUレザーは、本革のような見た目と軽さ、扱いやすさ、安さを兼ね備えた万能素材です。
ただし「加水分解による劣化」は避けられず、3〜5年で寿命が来るのが最大の弱点でもあります。
“数年ごとに買い替えながら、手軽に楽しむ素材” としてPUレザーは非常に優秀です。
本革とPUレザー、どちらが優れているという話ではなく、用途や価値観によって最適な素材を選ぶことが大切です。
あなたのライフスタイルに合った「革の楽しみ方」を見つけるための参考になれば幸いです。
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