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2026/01/21

革製品のリサイクル

初めに:循環型社会に向けた新しい価値創造の仕組み

革製品は、耐久性が高く長年使える素材として愛されてきました。しかし、鞄・財布・靴・ジャケットといった革アイテムは、使い込むほど味わいが出る一方で、破れや汚れ、型崩れが発生し、最終的に手放されてしまうケースも多くあります。
ところが近年、「捨てずに循環させる」という考えが世界的に広まり、革製品にも大きな変化が訪れています。それが “革のリサイクル” です。

本記事では、革製品のリサイクル方法、リサイクルを支える技術、世界と日本の動向、アップサイクル事例、そして革リサイクルの未来まで、総合的に詳しく解説します。

革バッグと帽子

1. 革製品はなぜリサイクルが難しいのか?

革は天然由来の素材でありながら、製造工程が複雑で、通常のリサイクルルートに乗りづらいという課題があります。

● 理由①:素材が単一ではない

革製品は以下のように複数の素材が組み合わされています。

  • 皮革(牛革、豚革、馬革など)

  • 裏地の布(綿、化学繊維)

  • 金具(ファスナー、ボタン、バックル)

  • 接着剤

  • 中材スポンジ

  • 糸、補強材

これらが密着しているため、紙やプラスチックのように簡単には分別できません。

● 理由②:なめし剤が分解・再利用を阻む

革は「なめし」によって腐敗しない状態に加工されています。
特に一般的な「クロムなめし」は耐久性が高い一方、粉砕して再利用する際に不純物が多く、再資源化しにくいという問題があります。

● 理由③:油分・汚れ・経年劣化による品質低下

革は使っていくうちに

  • 乾燥

  • ひび割れ

  • 変色

  • カビ

  • 汗や皮脂の浸透

などが起こり、リサイクルに向かない状態になることもあります。

2. 革リサイクルの主な方法

革製品のリサイクル方法は大きく分けて以下の3つに分類されます。

  1. 修理して再使用(リペア)

  2. 革を再生し別の製品にする(リサイクル)

  3. 新しい価値を加えて別物にする(アップサイクル)

それぞれ詳しく解説します。

2-1. リペア(修理)による“延命型リサイクル”

最も環境負荷が少なく、広く行われているのが 「修理による延命」 です。

● 主な修理例

  • 破れ・裂けの補修

  • 角スレの補色

  • ファスナー交換

  • 持ち手・ストラップ交換

  • クリーニング&オイルケア

  • 内袋の張り替え

特に日本は革修理技術が世界的にも高く、職人による修復で“新品同様に蘇る”ケースも多くあります。
修理することで寿命を5〜10年延ばせることも珍しくなく、環境負荷削減に大きく貢献します。

2-2. 再生素材としてのリサイクル(マテリアルリサイクル)

壊れた革や不要革を粉砕し、再び素材として利用する方法です。
近年は以下のようなリサイクル技術が進化しています。

● 革粉砕 → 再圧縮してシート素材にする技術

革製品を細かく粉砕し、天然ゴムや合成樹脂と混ぜて板状に再加工する方法です。
再生革(リジェネレーテッドレザー、リコンスティテューテッドレザーとも呼ばれる)は以下の製品に利用されます。

  • 手帳カバー

  • ベルト

  • バッグの裏地

  • 靴のインソール

  • 家具の貼り地

“本革の質感に近く、価格が安い”という特徴があり市場が拡大しています。

● 革繊維を再利用した「革繊維複合材」

革を粉砕して繊維状にし、樹脂と混合して成形する技術です。
これにより、家具・建材・自動車内装など幅広い用途に用いることができます。

例:

  • 自動車メーカーが座席の一部に革複合材を採用

  • 家具メーカーの椅子座面として利用

2-3. アップサイクル(価値を高めるリサイクル)

アップサイクルとは、素材を活かしながら別の新しい製品として生まれ変わらせる方法です。

これが近年、世界的に最も注目されている革リサイクルの形です。

● アップサイクル例

  • 古い革ジャン → 長財布

  • ソファの廃革 → トートバッグ

  • 革ソファの張り替え後の残布 → キーケース

  • 使わなくなったランドセル → 小物(ペンケース、名刺入れ)

  • 企業の廃材 → ノベルティ製品

  • 革靴のアッパー → コースター・アクセサリー

特に「ランドセルのアップサイクル」は日本で広く行われるようになり、人気です。
ランドセル特有の厚みや強度が、財布やコインケースに最適で、思い出を形に残す文化として定着しています。

なめし革

3. 企業・自治体による革リサイクルの取り組み

世界の革リサイクルは急速に進化しており、多様なプレイヤーが参入しています。

3-1. ファッションブランドの回収プロジェクト

大手ブランドも、使い終えた革製品の回収に乗り出しています。

  • COACH(コーチ):不要バッグの回収→修理→再販

  • Timberland:廃革を靴底素材に活用

  • H&M:革を含む繊維回収プログラム

  • LVMH:端材を活用した限定アイテム制作

世界のラグジュアリーブランドが「革資源の循環」を掲げており、新製品よりアップサイクル品が高値で販売されるケースもあります。

3-2. 国内企業のリサイクル活動

日本でも革リサイクルの技術開発が進みつつあります。

  • 国内タンナーによる革端材の再生シート化

  • 地域工房によるソファ革→バッグへの再加工

  • 企業が廃材を活かしたSDGsノベルティ制作

また、自治体が革工房と協力して“廃革を地産地消する”取り組みも始まっています。

3-3. 海外のリサイクルレザー技術

欧州は革リサイクルの先進地域として知られています。

  • イタリア:高級ブランドの革端材を再加工し、再生革を世界に供給

  • スペイン:革粉砕技術を応用し建材へ転用

  • ドイツ:家具業界が積極的に廃革を再生

環境意識の高さが、革リサイクル技術の発展を後押ししています。

4. 革リサイクルが注目される理由

近年、革のリサイクルが特に注目される背景には、以下の理由があります。

(1)環境負荷の高い革製造プロセス

革の製造には大量の水、化学薬品、エネルギーが必要です。
そのため世界的に「革を無駄にしない」という意識が強まっています。

(2)循環型社会の推進(SDGs)

  • SDG 12「つくる責任 つかう責任」

  • SDG 15「陸の豊かさを守ろう」

これらに革リサイクルは直結しています。

(3)消費者の価値観の変化

若者を中心に

  • サステナブル

  • エシカル

  • 長く使う

  • 修理して使う
    という考えが広まっています。

新品よりも「アップサイクル品の方が魅力的」という人も増えています。

5. 革リサイクルの課題

革リサイクルが注目される一方、以下の課題もあります。

● 職人不足・技術継承

修理・アップサイクルには熟練技術が必要です。

● 回収の仕組みが未整備

革製品の多くは個人の引き出しで眠ったままになっています。

● コストが高い

リサイクル工程自体が大量生産に向かず、高価になりがちです。

● クロムなめし革の再資源化が難しい

安全に再加工する仕組みがまだ十分ではありません。

[caption id="attachment_616" align="alignnone" width="1024"]革修理道具 Leather crafting DIY tools flat lay still life[/caption]

6. 未来の革リサイクル:技術革新と新しい価値

今後、革リサイクルはさらに進化すると予想されています。

(1)バイオ技術による革再生

タンパク質を科学的に分解し、再びレザーシートとして構築する技術が研究されています。
これが実用化されれば、大量の廃革が新しい素材に生まれ変わる可能性があります。

(2)AIによる自動分別・最適加工

AIが革の状態を判別し

  • 修理すべきか

  • アップサイクルすべきか

  • 粉砕して再生素材にするか

を自動で判断する未来も考えられています。

(3)パーソナル再生サービスの広がり

ランドセル再生が定着したように、
「思い出の革製品を新しい形に」
という個別サービスは今後拡大していくでしょう。

7. 個人ができる革リサイクル

消費者一人ひとりができることも多くあります。

● 長く使うための定期的なケア

  • 革クリームで保湿

  • 乾拭き

  • 防カビ対策

  • 雨に濡れたら陰干し

  • 定期的なメンテナンス

● 修理に出す

軽度の傷も早めに修理することで寿命が伸びます。

● アップサイクル工房に依頼

不要革製品を別のアイテムへ作り替えるサービスは増えています。

● 回収プログラムの利用

ブランドや自治体の回収ルートに出すことで、資源が循環します。

革製靴と財布とカメラ

8. まとめ:革は“捨てない”時代へ

革製品は、単なるファッションアイテムではありません。
長く使うほど愛着が湧き、手に馴染む特別な存在です。

一方で、製造負荷が高いという課題もあり、
「作って終わり」から「循環させる時代」へ
世界中が大きく舵を切っています。

その中心にあるのが

  • 修理(リペア)

  • 再生(リサイクル)

  • 再価値化(アップサイクル)
    の3つです。

捨てるはずだった革から、また新しい命が生まれる。
それが革リサイクルの最大の魅力です。

革製品を愛する人、環境に配慮したい人、サステナブルなものづくりに関心のある人にとって、革のリサイクルはこれからさらに重要なテーマとなるでしょう。

 

店舗情報:革のことなら何でも!

革研究所 札幌店

住所:札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F

電話番号:011-600-6858

営業時間:平日10~19時

修理対応エリア:北海道 札幌市全域エリア

革研究所HP:https://sapporo-kawa-kenkyujyo.com/

革修理対応製品

革修理対応製品

革鞄・バック

革鞄・バック

革の鞄(カバン)のスレやキズの補修、変色、革の色を変える(カラーチェンジ)までお任せください。VUITTON(ヴィトン)GUCCI(グッチ)等の革ブランド品も修理可能です。

財布・小物

財布・小物

革財布(サイフ)、小銭入れ、キーケース等の小物全般の革のキズ、スレをキレイに修理いたします。CHANEL(シャネル)GUCCI(グッチ)等のブランド革小物の修理ももちろんOKです。

革靴・ブーツ

革靴・ブーツ

男性物の革靴、女性物のブーツ等靴の革修理(スレ・キズの補修)も可能です。思い出の有る革靴等の修理はお任せください。もちろん革靴の修理に関してもブランド靴の修理可能です。

革衣類

革衣類

革ジャン、革コート・革のジャケット等革衣類の修理、補修もお任せください。部分的なスレ・キズの補修から、革全体の色を変える(カラーチェンジ)まで幅広く対応いたします。

ソファー・椅子

ソファー・椅子

革ソファー・革の椅子の修理実績も多数ございます。痛み具合によっては革の張替えも可能です。カッシーナ(CASSNA)等のブランドソファー修理もお気軽にご相談ください。

自動車内装

自動車内装

自動車の革ハンドル・革シートの修理(リペア)も可能です。ベンツ・BMWなどの高級外車から、国産の自動車まで数多くの修理実績がございますのでお気軽にお問合せください。

店舗情報

革研究所 札幌店

代表者 城台 悦史
所在地 札幌市北区北34条西3丁目1-7北34条ビル1F
TEL 011-600-6858

対応エリア
北海道 札幌市全域エリア

当店の革修理は革の事を知り尽くした熟練職人が一点一点丁寧に修理・補修いたします。思い出の有る大切な革製品を安心してお任せください。また、ブランド品(VUITTON・CHANEL・GUCCI等)の革修理経験も豊富です。革のキズやスレの補修はお任せください。革修理の御見積やお問合せはもちろん無料です。

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